TOPへ

ブログ

肩の石灰化について

肩の痛みで来院した際、肩に石灰ができていると言われることがあると思います。その症状は石灰沈着性腱板炎という病気になります。石灰沈着性腱板炎とは、肩の腱にリン酸カルシウム(いわゆる石灰)が沈着し、炎症が起きる病気です。

《症状》

・急性期には肩が動かせないほどの強い痛み
・慢性期には鈍い痛みや肩こり感
・腕が上がらない、服を着にくいなどの可動域制限

《原因》

石灰がなぜ腱に溜まるのかはっきりした原因はわかっていませんが、次のような要因が関係しています。

・腱板周囲の血流が乏しい
・加齢による腱の変性
・繰り返し動作や力仕事など肩を酷使する

《治療法》

1.保存的治療

・安静

患部を動かさないように安静を保ちます。

・薬や注射

消炎鎮痛薬やステロイド注射で炎症や痛みを抑えます。

・リハビリテーション

痛みが落ち着いてきたら、温熱療法や動きが悪くなっている関節を動かすリハビリをします。

2.石灰の除去

・穿刺吸引

エコーなどのガイドを見ながら、注射針を刺して石灰を吸引したり砕いたりする方法です。

・体外衝撃波治療

患部に体外から衝撃波を当てて石灰を砕き、体内に吸収されやすくする治療法です。

・手術(関節鏡視下手術)

保存的治療で改善しない場合や、石灰が大きい場合に、内視鏡(関節鏡)を使って石灰を取り除く手術が行われます。

(基本的には石灰は取る必要はなく、放っておいて問題ないことがほとんどです)

⭐︎肩にできた石灰は多くの場合、時間の経過とともに体に吸収されて小さくなっていきますが、残って症状が長引くこともありますので、気になる方はお早めに当院にご相談ください。