菌とウイルス、どこが違うの?
2025.09.12
風邪やインフルエンザ、食中毒など、私たちの体を困らせる「感染症」。
よく耳にする原因として「菌」と「ウイルス」がありますが、この2つ、実はまったく違う性質を持っています。
菌は「ちっちゃな生き物」
菌(細菌)は、とても小さな生き物です。顕微鏡でやっと見える大きさですが、自分で栄養を取り込み、分裂して増えることができます。
食中毒を起こす大腸菌や、肺炎の原因になる肺炎球菌などが有名ですね。
治療には「抗生物質」が使われます。
ウイルスは「他人まかせの存在」
一方でウイルスは、自分だけでは生きられません。まるで“宿主”に頼りきりの存在です。
人の細胞に入り込み、その細胞を使って自分のコピーをどんどん作っていきます。
インフルエンザや新型コロナウイルスがその代表。
ウイルスには抗生物質は効かず、代わりにワクチンや抗ウイルス薬が使われます。
簡単にまとめると…
•菌:自分で生きられる → 抗生物質が効く
•ウイルス:人の細胞を利用しないと生きられない → 抗生物質は効かない
インフルエンザ、帯状疱疹、エイズにはウイルスの性質を利用した特効薬があります。
普段は同じ「感染症の原因」として一緒に語られがちですが、実はまったく別物。
「風邪に抗生物質を飲んでも効かないことが多い」というのは、この違いに理由があるんですね。
体調がすぐれないときには、「菌かな?ウイルスかな?」と無理に考えず、まずは医師に相談してください。